「Kacoraftさん」金賞受賞者インタビュー 後編

 消しゴムはんこファンの皆さん、ごきげんいかがでしょうか?国際イレイサースタンプ品評会開催委員長の中鉢久夫です。

 シリーズでお送りしています「第3回品評会受賞者インタビュー」。8月9日にご紹介しました「Kacoraftさん」のインタビュー前編に続き、今回は後編をご紹介します。

※インタビュー前編はこちらから


Kacoraftさん

Kacoraftさんのエントリー作品の一部を拡大


すべての行程に慎重さが求められる

- 続いて作品の制作過程についてですが、今回のエントリー出品のようなはがきサイズの作品を制作する場合、一般的なサイズの消しゴムはんこを制作する際とどのような点が異なり、どういった注意を払いながら制作されたか教えていただけますか?

Kacoraftさん:
 一般的なサイズより大きいので、とにかくトレースを失敗しないように慎重にしました。刃を入れて回す感覚も異なるので、慣れるまでには時間がかかりました。
 また、トレースしたところが擦れないようにカッターの持ち方を変えました。

- やはりいろいろな工夫を重ねて制作する必要があるということですね。そして、はがきサイズのような大きな作品の場合、どの場所から彫り始めてどのように彫り進めるのかを、印面への転写が完了した時点であらかじめ決めているのでしょうか?それとも、その時々の思い付きで彫り進めていくのでしょうか?

Kacoraftさん:
 トレースしたところが一番手に触れやすい外側から彫り進めようと決めていました。はじめに外側を彫り、次は細かいモチーフの難しいところを集中力が続く限り先に彫っていきました。

- なるほど、効率よく作業が進むように計算して彫り進めたということですね。ところで、デザインのアイデアと図案の作成から作品の完成までどのくらい日数を要しましたか?

Kacoraftさん:
 デザインのアイデアを漠然と考えた時期は一か月ですが、図案の作成は1日、彫るのは4日間で完成しました。

- あれほどの作品を5日間で仕上げたというのは早いですね。では、制作過程において苦労した点や苦心したことはございませんでしたか?

Kacoraftさん:
 普段彫る大きさよりとても大きいサイズなので、刃を入れて回すことに苦労しました。そして、細かいモチーフが多かったので、集中力と根気がとてもいりました。

- 一瞬のミスが作品を台無しにしてしまいますからね。とてもよくわかります。


愛用ツールはアートナイフプロと数種類のシャープペンシル

- 次に今回制作した作品の図案についてですが、一般的な消しゴムはんこの制作と同様にトレーシングペーパーに図案を写し取り、それを消しゴムに転写するというスタイルで行ったのでしょうか?それとも、他の方法で行いましたか?

Kacoraftさん:
 今回は一般的な制作スタイルではない方法です。
 図案は0.25㎜のペンで下描きせずに描き上げたものを使用しました。そのあとの工程は内緒ですが、最終的にはトレーシングペーパーへ転写して彫りました。

- いろいろ秘密があるんですね、わかりました。では話題を変えて、今回の作品制作にはどのような道具を使いましたか?また、普段の制作に使用している道具と、その道具を使用する理由やこだわりがございましたら教えてください。

Kacoraftさん:
 普段からアートナイフプロを愛用しています。
 シャーペンは0.2㎜と0.3㎜、0.5㎜、0.9㎜を使い分けていますが、メーカーなどのこだわりはありません。

- では、Kacoraftさんの彫り方のタイプを教えていただけますか?

Kacoraftさん:
 すべて置き彫りです。

- ありがとうございます。続いて、Kacoraftさんは現在、消しゴムはんこ作家としてどのような活動をされているか教えていただけますか? また、SNS等のアカウントをお持ちでしたらぜひ教えてください。

Kacoraftさん:
 インスタグラムとフェイスブックのアカウントを持っています。URLはこちらです。
 ◆Instagram:https://www.instagram.com/kacoraft
 ◆Facebook:https://www.facebook.com/kacoraft

 普段の活動ですが、お声をかけていただいてイベントへの出展や消しゴムはんこ教室は不定期に開催させていただいています。
 とはいえ、小心者なので自分から積極的に参加できていませんでした。そこで、今回思い切って12月9日に開催される「浅草橋けしごむはんこヴィレッジ vol.4」に「Kacoraft」として出展することを決めました。

- そうなんですね!ありがとうございます。はんこ村主催者としてとても嬉しいお話です。ところで、はんこ村に出展してみようと考えるようになったきっかけというのは何でしょうか?

Kacoraftさん:
 出展しようと思ったきっかけは、消しゴムはんこ仲間やSNSを通して仲良くさせていただいている方から「出展してほしい」とメッセージをいただいたり、前回出展している作家さん数名の方から「出ましょうよ」とお声をかけてくださったことです。
 やってみたい気持ちがあっても今までは一歩が踏み出せませんでしたが、勇気を出してチャレンジしようと思いました。
 今からとてもドキドキしていますが、たくさんの方とお会いできるのを楽しみにしています。

- 初のはんこ村出展、とても楽しみですね。では最後に、今後の活動予定や消しゴムはんこ作家としての目標などがあればぜひ教えてください。

Kacoraftさん:
 今後もイベント出展や教室開催をしていきたいと思います。そして、いつか本や雑貨に自分の消しゴムはんこが使われたらいいなと思っています。

- 今後のご活躍に期待しております。そして、はんこ村vol.4への出展も本当に楽しみです。本日はありがとうございました。

Kacoraftさん:
 ありがとうございました。


 インタビュー中で発表がありましたとおり、Kacoraftさんは12月9日開催の「浅草橋けしごむはんこヴィレッジ vol.4」への出展が決定しています。注目の金賞受賞作家が制作した作品の数々にお目にかかることができる絶好の機会ということで、消しゴムはんこファンの皆様にとってまたひとつ楽しみが増えたのではないでしょうか。
 お忙しいところご回答いただきましたKacoraftさん、本当にありがとうございました。そして、初エントリーでの金賞受賞、本当におめでとうございました!


「Kacoraftさん」のより詳しい情報はこちらです。
Instagram:https://www.instagram.com/kacoraft
Facebook:https://www.facebook.com/kacoraft


(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2018年8月11日配信)

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