【きえさん】金賞受賞者インタビュー[前編]

 消しゴムはんこファンの皆さん、ごきげんいかがでしょうか?国際イレイサースタンプ品評会開催委員長の中鉢久夫です。

 6月17日に開催された【第3回国際イレイサースタンプ品評会】の受賞作品発表後、最高金賞ならびに金賞を受賞された作家の皆様にインタビューを行いましたのでご紹介したいと思います。
 今回エントリーされた作品の制作秘話や苦労話、そして普段の作家としての活動や今後の展望について等々、消しゴムはんこへの強い想いをひしひしと感じる、とても中身の濃いお話をたくさんお聞きすることができました。

 シリーズでお送りする「第3回品評会受賞者インタビュー」、今回お届けするのは、初エントリーで見事金賞の座を射止めたエントリーナンバー31番【きえさん】のインタビュー[前編]です。


【きえさん】


-この度は金賞受賞本当におめでとうございます。
今回の受賞について一言メッセージをいただけますか?

きえさん:
ありがとうございます!
初めての参加で無名の私にたくさんの方が投票して下さってとっても嬉しいです。投票して下さった皆様に感謝感謝です!

-はじめに、きえさんが国際イレイサースタンプ品評会にエントリーしようと思ったきっかけや、エントリーのきっかけを作った出来事など、エントリーまでのエピソードがありましたら教えてください。

きえさん:
きっかけらしいきっかけは無いのですが、新年度が始まって何となく気持ちが切り替わったところで「いろんな制作をしてイベントに参加できたらいいな〜」と考えていました。けしごむはんこヴィレッジや品評会があることは知っていて気心知れたはんこ仲間さんもたくさんいらっしゃったので、緊張しすぎずに応募できるのかなと思い参加をしてみました。

-なるほど、そうだったんですね。では、今回受賞された作品のテーマ、作品に込めた想いや作品が持つ世界観などを教えていただけますか?

きえさん:
迫力があって目を引くような作品にしたかったので、アメコミと私が好きで好きでたまらない猫を題材にしました。ちなみに猫はメインクーンのつもりで描いてます。

-なるほど、ライオンやトラ等のネコ科の動物をモチーフにしてヒーローが描写されているとは思っていましたが、まさかの猫、しかも長毛種のメインクーンがモチーフだったんですね。ということは、4コマ目の動きは『猫パ~ンチ!』というイメージになるんでしょうか?

きえさん:
いえ、もっと強烈で、どちらかと言うと

『猫パァァァァァアアアアアアアアアンチ!!!!!!!!!!!!!!』

というイメージで書いています(笑)。

-そんなに強力なパンチを浴びたらひとたまりもないですよね(笑)。今のパンチの話にもつながってくるのですが、今回きえさんが出品された作品のデザインはとても躍動感を感じました。描かれたキャラクターの動きを出す影や線の描き方はもちろんですが、とにもかくにも細やかに彫られたドットに一気に目が引きつけられました。これほど均一に彫るのはとても苦労したのではないでしょうか?

きえさん:
そうですね。
ずっとはんこを見ていると、どこを彫ってどこを彫っていないかがわからなくなってくるのが一番苦労しました…。

-仮に自分が彫っていたら目が回ってしまうと思います(笑)。ちなみに普段制作されている消しゴムはんこの図案も、やはり今回の品評会に出品されたような精緻なデザインのものが中心となっているのでしょうか?

きえさん:
今回出したドットほど細かいものはめったに彫りません。普段は柔らかめで細い線を意識した図案が中心です。

-そうなんですね。では、今回のドットのような細かい模様な図案を正確に細かく彫るための特別な練習をされたりしていますか? また、ご自身で体得したコツのようなものがあったりするのでしょうか?

きえさん:
練習は何もしていないです。ただ、Instagramにはんこをアップし始める前はアニメや漫画の好きな作品をはんこにしていて細かいものを彫ることが多かったので、それが今に繋がっているかなと思っています。

-なるほど、そのような伏線があって、それが現在のスタイルに繋がっているというわけですね。それからこれは素朴な疑問なんですが、複雑なデザインの作品を制作する際は、どの場所から彫り始めてどのように彫り進めるのかを、印面への転写が完了した時点であらかじめ決めているのでしょうか? それとも、その時々の思い付きで彫り進めていくのでしょうか?

きえさん:
小さいはんこは外側を彫ってから内側を好きなところから彫っていますが、大きいとどこを彫ったかわからなくなるので、今回の作品は一コマ目から順番に彫りました。
それと、彫る時に手が触れると図案が擦れてしまうので、彫っていないところには紙を被せて擦れないようにしていました。

-やはりいろいろと工夫されているんですね。そして、これは個人的にとても気に入っていた点なのですが、今回のエントリー作品の印影に使用したスタンプインクの色がアメリカンコミック調のデザインととてもよくマッチしていたと思います。これはどこのメーカーの何色のインクを使用していますか?

きえさん:
シャチハタのフォアコートを使っています。油性でパッキリした色が出て、はんこにも色がつくので万能です!


次回[後編]に続きます。どうぞお楽しみに。


【きえさん】の公式インスタグラムはこちらです。
数々の作品やイベント参加情報などもこちらで公開しています!

https://www.instagram.com/kie_craft/


(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2018年7月28日配信)

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