第7回国際イレイサースタンプ品評会 最高金賞 chimney hankoさん

 消しゴムはんこファンの皆様、ごきげんいかがでしょうか。国際イレイサースタンプ品評会開催委員長の中鉢です。
 本日は、11月15日に開催されました「第7回国際イレイサースタンプ品評会」において最高金賞ならびに金賞・特別賞を受賞されました作品を発表しております。

 大変長らくお待たせいたしました。それでは、第7回国際イレイサースタンプ品評会の最高金賞受賞作品を発表いたします。


第7回国際イレイサースタンプ品評会 
最高金賞 chimney hankoさん
作品タイトル:「動物たちの休日」



◆作品についての解説:
 「森の動物達がこんな休日を過ごしていたら…という想像の世界を映画風に描いてみました」


 chimney hankoさんは第5回(2019年6月)、第6回(2019年12月)に続いて三大会連続の最高金賞となりました。また、chimney hankoさんは史上初の「Eraser Stamp Hall of Fame(消しゴムはんこの殿堂)」として、消しゴムはんこの分野で世界最大のネットワークであるJESCA日本イレイサースタンプ協会より表彰されます。本当におめでとうございました。


~第7回国際イレイサースタンプ品評会を振り返って~

【ごあいさつ】

国際イレイサースタンプ品評会開催委員長の中鉢久夫です。

はじめに、「第7回国際イレイサースタンプ品評会」にご参加いただきました消しゴムはんこ作家の皆様と、11月15日開催の「東京アートクラフトフェスタvol.3」において審査投票にご協力いただきました皆様に、この場をお借りして心より厚く御礼申し上げます。
また、本日の結果発表に最後までお付き合いいただきました皆様に、重ねて御礼申し上げます。

コロナ禍によりおよそ半年間の延期を経て開催された第7回品評会でしたが、マイナスの波を押し返すかのような非常にレベルの高い作品が集結し見応えのある品評会となりました。
今回は総エントリー数34作品、有効得票数215票(有効ポイント860ポイント)を集め、エントリー数の30%に該当する10作品が金賞受賞作品として選出され、そのうち最も得票数の多かったエントリーナンバー20「chimney hanko」さんの作品が3度目となる最高金賞を受賞し、初の【消しゴムはんこの殿堂入り作家】となりました。chimney hankoさんならびに金賞受賞作家の皆様、本当におめでとうございます。

【過去作品の振り返りで見える「傾向」】

さて、今回は初の殿堂入り作家が誕生したことを受けて、第1回品評会からのエントリー作品を全て拝見している私なりの「最高金賞&金賞受賞作品に見られる特長」を挙げてみたいと思います。今後開催される品評会にエントリーを予定されている作家の皆様は必見必読です。

1:デザインに矛盾や破綻がない
→ 描かれたデザインの中にファンタジーやフィクションであっても「本来共存しないもの」「あり得ない状況」が描かれている場合、作品の中に矛盾が生まれ見る側に違和感として伝わり、得票が伸び悩む傾向があります。また、遠近法等を無視しデザイン全体のバランスが破綻している場合も同じ傾向が見られます。

2:広い視野で捉えたデザイン
→ 対象となる単体をデザインした作品よりも、その周辺にあるものや風景等まで含めて広い視野でデザインされた作品の注目度が高い傾向が見られます。また、対象物の影や遠近感を出すための色の濃淡を彫りで表現した作品にも同じ傾向が見られます。そして非常に難易度が高いものの、作品の中に光や風などの「空気の動き」が感じられるデザインも衆目を集めることが多いです。

3:伝えたいことが明確なデザイン
→ 作品タイトルにマッチしたデザインであることは大前提ですが、その中でも「タイトルとデザインの中心となる対象」を明確に表現している作品は注目度が高くなる傾向があります。中心となるべき対象が、デザイン全体を支える脇役となるべき周囲のデザインや彫りによって埋もれてしまっては本末転倒です。

4:「白い」消しゴム
→ 過去の受賞作品を見ていると、特に最高金賞受賞作品においては圧倒的に「白い」消しゴムを使用して制作された作品が多いことに気付きます。ただし、作品の世界観とマッチさせるために、色付きの消しゴムを使用して制作された作品が最高金賞を受賞したケースもあることを付記いたします。

5:単色捺しでも存在感のある作品
→ 第7回品評会より印影への着色・加筆が禁止されましたが、多くの方に選ばれる作品は単色捺しでも強力な存在感を放ち、見る者を作品の世界に引き込んでしまうかのような魅力を持っています。素晴らしい作品はこれといった脚色がなくても「映える」ようです。

【開催スパンの変更】

さて、これまで「けしごむはんこヴィレッジ」「東京アートクラフトフェスタ」等のイベントに合わせて開催してきました「国際イレイサースタンプ品評会」ですが、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響が長期化していることと、高度化する作品デザインと長時間化する制作期間の兼ね合いを考慮したうえで、デザインならびにエントリー作品の制作にじっくり時間をかけて取り組んでいただくことを目的として、第8回品評会は2021年12月5日の一年1回の開催とすることにいたしました。また、状況次第ではありますがオンラインでの開催も視野に入れ、さまざまな角度から「国際イレイサースタンプ品評会」のあり方を検討しているところでございます。これらに伴い、エントリー作品の受付期間およびエントリー規約につきましても内容が変更されております。詳しくは「国際イレイサースタンプ品評会」公式サイトにてご確認ください。

前述のようにますます高度化する「国際イレイサースタンプ品評会」のエントリー作品ですが、第7回品評会の受賞作品を拝見して「高度なテクニックや繊細な彫りを前面に出した『だけ』の作品では入賞が難しい」といえる【新たな領域】に突入した印象を受けています。今後お目にかかるであろう未見の作品に大きな期待を寄せつつ、皆様のさらなるご活躍を祈念し第7回品評会の講評とさせていただきます。


第8回国際イレイサースタンプ品評会は、2021年12月5日開催の「東京アートクラフトフェスタvol.5」会場にて開催されます。
新型コロナウイルス感染症の影響が長引くことが予想されるため、少し間を空けて年1回の開催となります。(オンライン開催となる可能性もございます)
ご了承のほどお願い申し上げます。

※エントリーの際は事前にエントリーキットの購入が必要となります
エントリーキットは下記URLよりご購入いただけます

https://store.shopping.yahoo.co.jp/es-selection/iesc-0005.html


(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2020年11月29日配信)

コメントを残す