「さとうゆうこさん」金賞受賞者インタビュー 後編

 消しゴムはんこファンの皆さん、ごきげんいかがでしょうか?国際イレイサースタンプ品評会開催委員長の中鉢久夫です。

 シリーズでお送りしています「第3回品評会受賞者インタビュー」。8月5日にご紹介しました【さとうゆうこさん】インタビュー[前編]に続き、今回は[後編]をご紹介します。


【さとうゆうこさん】

金賞を受賞したさとうさんの消しゴムはんこの印面


(~[前編]からの続きです~)

-続いて制作過程についてお伺いします。今回のエントリー作品についてですが、デザインのアイデアと図案の作成から作品の完成までどのくらい日数を要しましたか?

さとうゆうこさん:
実は一度、図案の作成を1日で仕上げ、次の2日間で彫り上げていました。消しゴムはんこを彫ることが大好きなのですが、それとはまた一味違うハガキサイズの消しゴムを彫る楽しさに目覚め、一気に彫ってしまいました。しかし彫り上がった図案を眺めているうちに、変えたいと思う部分が沢山出てきてしまったので、最初の図案を元に描き直しました。

-え? ということは、一度完成した作品を基にして、もう一度制作されたんですか?

さとうゆうこさん:
はい、そうなんです。そして、ハガキサイズ2度目の挑戦では、彫る感覚に慣れたのか1度目に彫った時よりも断然綺麗に彫ることが出来ました。2度目の図案作成から作品の完成までは、10日間ほどだったと思います。

-いやぁ、手直しも含めて2度制作されていたとは驚きました。でも、そうなると制作過程において苦労した点や苦心したことがいろいろあったのではないでしょうか?

さとうゆうこさん:
意外に思われるかもしれませんが、実は今回の作品制作では苦労・苦心したと思った覚えがありません(笑)。とにかく楽しくて、彫り進めている間ずっとドキドキワクワクしていました。

-なるほど。制作過程における「楽しい」と思う気持ち・・・つまり制作者の「想い」は作品に大きく反映されると私は日頃から感じています。なので、今回さとうゆうこさんが制作した作品にも存分に「想い」が反映されていたことが審査投票を行った皆様にも伝わり、それにより今回の金賞受賞につながったのかもしれないですね。


-それから、先ほどお話に出てきた作品の図案トレースについてですが、今回はどのような方法でトレースを行いましたか?

さとうゆうこさん:
初めて除光液転写という方法をとってみようと挑戦したのですが上手くいかず・・・結局、時間をかけて丁寧にトレーシングペーパーからの転写方法にしました。

-なるほど。では、今回の作品の制作にはどのような道具を使いましたか?また、普段の制作に使用している道具と、その道具を使用する理由やこだわりがございましたら教えてください。

さとうゆうこさん:
丸刀や三角刀等、様々な道具も使ってみたい気持ちはありましたが、普段からデザインナイフ1本で彫るスタイルだったので、今回の作品もいつものスタイルを通そうと思い、デザインナイフ1本で仕上げました。

-「自分のスタイルを貫き通す」のは、品評会のエントリー作品のような集中力を必要とする制作を行う際にとても良いことですよね。ちなみに彫り方のタイプを教えていただけますか?

さとうゆうこさん:
消しゴムはんこの大小関係なく、普段から手持ち彫りをしています。消しゴムはんこを始めたばかりの時は置き彫りをしていたのですが、ある日なんとなく手持ち彫りにしてみたら置き彫りよりも綺麗に彫ることが出来たので、自分には手持ち彫りが合っているのだと思い、それからはずっと手持ち彫りにしています。

-こちらも「自分に合ったスタイルで」ということですね。話は変わりますが、消しゴムはんこ作家として現在どのような活動をされているか教えていただけますか? また、多くの方に作品や活動について知っていただければと思いますので、SNSアカウント等がございましたら教えていただけますか?

さとうゆうこさん:
消しゴムはんこ作家としての活動は、Instagramのみで行なっています。本アカウント名は@chimney_hankoで、主に消しゴムはんこの作品を載せています。その他に販売専用のアカウントを作っており、そちらでは消しゴムはんこの作品の販売や、一からお客様のご希望の消しゴムはんこを作るフルオーダーはんこの販売も行っています。現在はそれ以外の活動は行なっていませんが、12月9日に開催される【浅草橋けしごむはんこヴィレッジvol.4】に初出展する事が決まりました。直接お客様に消しゴムはんこの作品を手にとって見て頂く機会が普段はありませんので、今からとてもワクワクしています。沢山の方に見て頂けたら嬉しいです。

-ありがとうございます。はんこ村vol.4、私もとても楽しみにしております。では最後に、今後の活動予定や消しゴムはんこ作家としての目標などを教えてください。

さとうゆうこさん:
今現在は、子ども2人がまだ小さいのでなかなか消しゴムはんこを彫る時間がないのですが、ゆくゆくはイベントに出展する機会を増やし、Instagramでの作品販売もどんどん積極的にしていけたらいいなと思っています。難しいとは思いますが、個展を開くのも夢だったりします。沢山の方に【chimney hanko】を知って頂けるよう、頑張っていきたいと思います。

-今後のご活躍に期待しております。本日はありがとうございました。

さとうゆうこさん:
ありがとうございました。


 今回のインタビューを通して、【さとうゆうこさん】の「消しゴムはんこへの愛」「心からけしごむはんこが好き」という想いがひしひしと伝わってくるとともに、「好きだからこそ極めたい」という強い気持ちも垣間見える、そんな印象も感じられました。
 お忙しいところご回答いただきました【さとうゆうこさん】、本当にありがとうございました。そして、初エントリーでの金賞受賞、本当におめでとうございました!


【さとうゆうこさん】のインスタグラムはこちらです。

Instagram:https://www.instagram.com/chimney_hanko/


(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2018年8月7日配信)

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