木村明子のものネタ、今回は「メガネ」

 消しゴムはんこ作家・木村明子さん(くま五郎本舗)の連載「木村明子のものネタ」をお届けします。(毎月18日頃更新予定)


 花粉が飛び交いまくってそろそろ落ち着く季節になりましたが皆様いかがお過ごしでしょうか。千葉県を拠点に活動している消しゴムはんこ彫り、木村明子と申します。
 
 「木村明子という人物が何かひとつの『物』をピックアップして文章を書き、消しゴムはんこを彫る」というこの連載、今回のネタは「メガネ」です。


 私が日常的にメガネをかけ始めたのは成人してからになります。社会人になって自室にテレビとゲーム機を設置し、徹夜などしてゲームライフを存分に楽しんでおりましたら坂を転げ落ちるように視力が落ちていきました。

 近視だけではなく乱視でもあるので、メガネを外すと何もかもがぼやけて見えます。ジョギングをする時などたまに邪魔に感じてメガネを外すのですが、すべてがぼやけて見える景色はまるで異世界のようで、なかなか味わい深かったりいたします。

 今ではかなりメガネ慣れしている私ですが、何年か前にはコンタクトにしておりました。しかしいつしか目が乾燥するようになり、コンタクトを卒業いたしました。そんな中、ふと昔購入したコンタクト(ワンデイ)を発見してつけてみたことがあります。そうしたらびっくりです。お化粧をする前の顔面のあんな汚点やこんな汚点がくっきりはっきり見えるのです。鏡にうつる自分に「いや、誰!?」と問いかけました。そしてすぐにコンタクトを外してしまいました。

 ネット環境が発達し、情報がこぼれ落ちるくらい手に入る昨今ではありますが、「知らない方がいいこと」というのも世の中にはあります。「自身の顔面の正しい状態」は、ぼんやりと認識するくらいである方が幸せだと私は思います。


 そんなこんなメガネライフを満喫しているわけですが、ここでメガネの話をする時にどうしても避けられない話題にふれようと思います。それは「メガネ男子問題」です。この連載で過去に吉祥寺を散歩した際、私は自身の「メガネ男子好き」をカミングアウトいたしました。その件について、当時は各方面からの問い合わせや賛否両論の声がそれはもうまったく届きませんでした。もしお声があったなら、メガネ男子問題について熱い議論を交わそうと待ち焦がれていた私の思いは空回りです。

 しかしそもそも私はメガネ男子好きですが、メガネ女子も好きなのです。なぜかということを細かく説明すると自身の心の奥深い闇が明るみに出そうで恐いのですが、ひと言で言うと「影があるように見えるから」ということでしょうか。見えませんか、影があるように。「メガネを外してそっと目頭を押さえる」ような光景を見たら、たとえそれが加齢による疲れ目だとしても胸がきゅんと痛むのは私だけでしょうか。私だけですか、そうですか。それは非常に残念です。

 もちろん、メガネをかけているからといってその人に影などないということは私にも分かっております。ただ、昔から小説やらアニメやらで「一癖あるキャラはメガネをかけている」ということが定番でした。なにせ社会人になってまで徹夜ゲームで目を悪くするメンタルの持ち主です。現実社会でメガネをかける男女に「一癖」を求めても仕方がないと言えないこともないと思うのですがどうでしょう。一理あると思いませんか。


 このように、多少片寄った理由で「メガネ男女」が大好きな私ですが、そのメガネが「伊達メガネ」だとすると一気に冷めます。アイウエアと呼ばれてオシャレアイテムの面を見せるメガネではありますが、私にとってメガネは「視力矯正器具」なのです。伊達メガネは「なんかずるい」のです。「それは私たちに残しておいて」とオシャレ番長な皆さんに言いたくなるのです。

 上記でご説明した様々な感情をご理解いただける方はたぶん、私と同じような闇を心に隠し持つ皆様だと思われます。ぜひ1度メガネ男女について熱く語り合えればと思います。

 ではまた!!


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