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「まめ・はん eriさん」最高金賞受賞インタビュー 中編

 消しゴムはんこファンの皆さん、ごきげんいかがでしょうか?国際イレイサースタンプ品評会開催委員長の中鉢久夫です。

 シリーズでお送りしています「第3回品評会受賞者インタビュー」。8月25日にご紹介しました「まめ・はん eriさん」の最高金賞受賞者インタビュー前編に続き、今回は中編をご紹介します。制作における様々なノウハウや工夫を惜しげもなくお話しいただいています。どうぞご覧ください。

※前編はこちらからご覧いただけます↓


まめ・はん eriさん


細やかな配慮が行き届いた制作環境と作品へのこだわり

― 第2回品評会の作品を拝見した時にも感じていたのですが、まめ・はん eriさんの作品は、作品の線が非常に細く均一で、そのことが作品に非常に繊細な印象を与えているように思います。そこでお訊ねしたいのですが、こういった細い線を正確に彫るための特別な練習を普段から行ったりしているのでしょうか? もしくは独自の秘策やコツなどがあるのでしょうか?

まめ・はん eriさん:
 細い線を彫りたい!と思い始めた頃はどうやったら細い線が彫れるか分からず、綺麗にはんこを彫ってる方のインスタを見ていると、オレンズの0.2mmのシャーペンとOLFAのアートナイフプロを使っていることが分かりとりあえず使ってみるといつもより細い線が確かに彫れることがはっきりしたので、この2つを使いこなせるようになりたいと思い1日1回!少しでもいいから練習しました。

- やはりたゆまぬ練習の積み重ねによるものだったんですね。

まめ・はん eriさん:
 ですが、練習し始めた頃はオレンズなのに芯は折れるし、アートナイフプロは重く手元が狂ったりして大変でした。でもすぐに慣れて、だんだん細い線が彫れるようになってきました。

- 練習を積み重ねることで道具も使いこなせるようになってくるんですね、とても勉強になります。続いて作品の制作についてお伺いしたいと思います。今回のエントリー作品のようなはがきサイズの作品を制作する場合、一般的なサイズの消しゴムはんこを制作する際とどのような点が異なり、どういった注意を払いながら制作されたか教えていただけますか?

まめ・はん eriさん:
 私は置き彫りなので、大きいサイズを彫る時はそのサイズが楽にくるくる回れるようにA4サイズのカッターマットをひき、予想しないところにぶつかったりすると嫌なので、机の上には何も置かないようにしています。
 細かい図案を彫る時はほんの少しの振動でも刃先が狂ったりしてしまうので、彫りカスも出る度にゴミ袋に入れるようにしました。

― 制作に適した環境を整え、さらに細心の注意を払って制作を行っていらっしゃるんですね。

まめ・はん eriさん:
 あとはいつも困るのが手を置く場所です。前回ハガキサイズを彫った時は、空中に浮かしたままか小指で支えを作っていたのですが、今回は前回より細かいのでそのやり方では疲れそうだったので、手を置きたい部分にティッシュを巻いてその上に手を置いて彫りました。

― 本当に細かいところまでしっかりと神経を行き届かせていらっしゃいますね。素晴らしいです。話は変わりますが、今回のエントリー作品のような大きな作品の場合、どの場所から彫り始めてどのように彫り進めるのかを、印面への転写が完了した時点であらかじめ決めているのでしょうか?それとも、その時々の思い付きで彫り進めていくのでしょうか?

まめ・はん eriさん:
 彫りたい!と思ったところを思い付きで彫ってます。文字を彫りたい気分の時は文字を彫り、気分じゃなくなるとももちゃんを彫ったり、ポリッシュボトル彫ったりと行ったり来たりしながら彫ってます。

― 今お話に出てきました「ももちゃん」というのは、作品に登場するまめ・はん eriさんのオリジナルキャラクターですよね? どういったキャラクターなんですか?

まめ・はん eriさん:
 「ももちゃん」は私の分身そのものです。私がやりたいことや思い描いたことを瞬時に叶えることが出来るスーパーガールです!

― 夢を叶えて現実にすることができる…今回の作品のテーマにピッタリですね! ところで、デザインのアイデアと図案の作成から作品の完成までどのくらい日数を要しましたか?

まめ・はん eriさん:
 アイデアに1日、図案の作成に3週間、作品の彫りに1週間、印影の色塗り等に2日です。アイデアが浮かんだのが4月に入ってからで、図案を書くのに時間がかかってしまい彫る時間を長くとれませんでした。

― 子育てをしながら正味1ヶ月でこれほどの作品を仕上げるのは本当に大変だったのではないかと思います。そこでお伺いしますが、制作過程において苦労した点や苦心したことについて教えていただけますか?

まめ・はん eriさん:
 自分のイメージが伝わる図案を書くことに苦労しました。

― イメージ、ですか。具体的にはどのような点でしょうか?

まめ・はん eriさん:
 ももちゃんたちがネイルやっているその場を写真で撮ったようなイラストを描きたい!と思い図案を描き始めました。でも私は絵を描くのが苦手で、奥行きや立体感を出すのは特に苦手です。

― 平面上で全体のディテールを崩さずに奥行きや立体感を表現するのは本当に難しいですよね。

まめ・はん eriさん:
 でも奥行きや立体感をどうしても出したかったので、実際に自分の部屋にあるネイル机を写真で撮ってそれを見て描いたりネットで画像を調べそれを参考にして描きました。
 机、椅子、ソファーを描くのに苦労し、そこにももちゃんたちを座らせるのに苦労し、ももちゃんにエプロンを付けるのに苦労し…。苦労の連続でした。
 書き上げる度に家族に見せて、「立体的に見える?」と訊いてはやり直しをくらい、「ここが変」「あそこが変」と言われ一緒に考えてくれたりしました。20回くらい描き直した末にイメージ通りのネイルサロンが描けた時は本当に嬉しかったです。

― そこまでされたんですか!それは図案の作成に3週間かかったのも納得です。そして、ご家族の皆様も作品制作にとても協力的だったのはとても嬉しいことですね。ところで、このように苦労を重ねて完成した図案を転写する際ですが、一般的な消しゴムはんこの制作と同様にトレーシングペーパーに図案を写し取り、それを消しゴムに転写するというスタイルで行ったのでしょうか? それとも、他の方法で行いましたか?

まめ・はん eriさん:
 一般的な消しゴムはんこの転写方法で行いました。でもいつもと違うところが一点あります。

― 「違うところが一点」というのが気になりますね。その違いというのは?

まめ・はん eriさん:
 いつも私はマステなどで固定せず手でトレーシングペーパーを押さえて3cm幅くらいの定規で転写をしてます。

― え?図案を固定しないんですか?

まめ・はん eriさん:
 はい。その「いつもどおりのやり方」で今回もやったのですが、手が途中で少し動いてしまいトレースに失敗してしまいました。

― それは精神的ショックが大きいですね…。

まめ・はん eriさん:
 なので、2度目は動かないようにマステで四ヶ所しっかりと固定し、定規だとちまちま何度もやらないといけないので、お菓子のカンカンを使ってトレースしました。

― なるほど!広い面を使えば一度に転写できますし、何度も擦ることがないので線が太くなることもないですよね。これはナイスアイデアですね!


不測のトラブルに対応するための対策

― ところで、今回の作品の制作にはどのような道具を使いましたか? また、普段の制作に使用している道具と、その道具を使用する理由やこだわりがございましたら教えていただければと思います。

まめ・はん eriさん:
 図案の作成には、今回の作品も普段も
・100均のトレーシングペーパー
・方眼用紙
・オレンズ0.2mm(2B)のシャーペンを3本
を主に使ってます。

― シャープペンシルが3本、ですか?

まめ・はん eriさん:
 シャーペンが3本なのは、図案を描いている途中で壊れたり芯が終わってもすぐ続きが描けるようにです。この他に太い線を描きたい時などは0.5mmや0.9mmのシャーペンも使うこともあります。

― なるほど、不測の事態が発生しても作業を止めることなく続けられるための対策なんですね。

まめ・はん eriさん:
 はい。そしてトレースには、今回の作品の場合はマステとお菓子のカンカン。普段は、定規だけです。

― とてもシンプルですが必要にして充分なラインナップですね。ちなみに彫る道具は先ほどお話されていたアートナイフプロと、他には何か使われていますか?

まめ・はん eriさん:
 彫る時は、今回の作品の場合は、OLFAのアートナイフプロ157Bのみ使いました。普段はこれの他に、OLFAの大型カッターEXL-500の刃を特専黒刃に変えたものを使ってます。

― なるほど。

まめ・はん eriさん:
 この中で、オレンズの0.2mmとOLFAのアートナイフプロだけはストックもあるほどお気に入りです。この2つを使うことによって格段に細い線が彫れるようになり、余白も綺麗に彫れるようになりました。

― ちなみに彫り方ですが、先ほどのお話にも出てきましたが置き彫りですか?

まめ・はん eriさん:
 はい、置き彫りの引き彫りです。ハガキサイズまでしか彫ったことがありませんが、どのサイズでもこの彫り方です。


次回、後編に続きます。どうぞお楽しみに。


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(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2018年8月27日配信)

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