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「さとうゆうこさん」金賞受賞者インタビュー 前編

 消しゴムはんこファンの皆さん、ごきげんいかがでしょうか?国際イレイサースタンプ品評会開催委員長の中鉢久夫です。

 6月17日に開催された【第3回国際イレイサースタンプ品評会】の受賞作品発表後、最高金賞ならびに金賞を受賞された作家の皆様にインタビューを行いましたのでご紹介したいと思います。
 今回エントリーされた作品の制作秘話や苦労話、そして普段の作家としての活動や今後の展望について等々、消しゴムはんこへの強い想いをひしひしと感じる、とても中身の濃いお話をたくさんお聞きすることができました。

 シリーズでお送りする「第3回品評会受賞者インタビュー」、今回はエントリーナンバー05番【さとうゆうこさん】のインタビュー[前編]をお届けします。


【さとうゆうこさん】


-この度は金賞受賞本当におめでとうございます。はじめに、受賞についてのメッセージをお願いします。

さとうゆうこさん:
この度は、金賞受賞という素晴らしい賞を頂き大変嬉しく思っております。ありがとうございます。消しゴムはんこを彫り始めてから初めての大きな挑戦でしたので、本当に嬉しく思っております。

-さとうゆうこさんが国際イレイサースタンプ品評会にエントリーしようと思ったきっかけを教えていただけますか?

さとうゆうこさん:
消しゴムはんこを彫り始めてから約2年半経ち、少し自信が持てるようになってきたところで、国際イレイサースタンプ品評会のエントリー受付をしている事をインターネットで知りました。その時点で作品提出の締め切りまで残り1ヶ月程しかなく、はがきサイズという大きな消しゴムを彫った事が一度もなかったのですが、申し込んでしまえばもう彫るしかないので、その勢いだけでエントリーを決めました。

-そうだったんですね。では、今回受賞された作品のテーマや作品に込めた想い、そして作品が持つ世界観などを教えてください。

さとうゆうこさん:
初めてのコンテストと言うこともあり、とにかく私らしさを強調したかったので、普段から良く描いている卵のキャラクターの世界を表現しました。その中に、夜空やヨーロッパの町並み等、私の好きなものを取り入れました。後から主人がタイトルを決めてくれたのですが『小さな街の、ほんの小さな夜の出来事』です。まるで絵本に出てきそうな世界が表現出来たかなと思います。

-なるほど。どことなくノスタルジックで賑やかな感じと静寂の両方が感じられる今回のエントリー作品のイメージにとても良くマッチしているタイトルですね。ところで、今お話の中に出てきました作品のメインとなっている卵のようなキャラクターのお名前やキャラクター設定について教えていただけますか?

さとうゆうこさん:
特に名前は付けていないのですが、3人の仲良し家族がいたり、貴族がいたり、画家がいたり、男の子が女の子に風船をプレゼントするシーンや待ち合わせをするシーンがあったり……ちょっとしたストーリー設定があります。 見る人によって、様々な感じ方をしてもらえたらいいなと思いました。

-見る人それぞれの感じ方がある、ということですね。次にエントリー作品についてですが、作品を拝見して最初に感じたのが、非常に均一に彫られた線の美しさでした。このような美しい線や繊細な図案を彫るために、普段から何か特別な練習を行っているのでしょうか?また、何かコツのようなものはありますか?

さとうゆうこさん:
線を均一に彫ることは一番の目標でした。そのための特別な練習というのは特に行っていませんが、普段から注意している点は、転写を丁寧に行う事です。正確に彫るためには、正確な転写が必要不可欠だからです。

-なるほど、正確な転写ができるかどうかで正確な線を彫ることができるかどうかが決まる、ということですね。

さとうゆうこさん:
そうですね。そして、彫る際はなるべく刃を入れなおさず、一度に彫りきれるように丁寧に彫っていきます。今回の作品もそのように彫り進めていきました。

-集中力を最大限に発揮して行わなければならない、とても神経を使う作業ですよね。ところで、今回初めてはがきサイズの作品を制作されたと先ほどおっしゃっていましたが、一般的なサイズの消しゴムはんこを制作する際とどのような点が異なり、どういった点に注意を払いながら制作されたか教えていただけますか?

さとうゆうこさん:
小さいサイズであれば指で掴んで彫る事が出来ますが、今回ははがきサイズということで手の平全体に乗せて彫りました。私の図案ははがきサイズいっぱいに描かれたものだったので、側面を指で掴んでしまうと欠けてしまう恐れがありました。ですので、側面には手を触れず、本当に手の平に乗せただけの状態で、回すときは消しゴムの底を指で回すようにして彫りました。

-やはりいろいろな工夫をされているんですね。ところで、これは素朴な疑問なんですが、はがきサイズの大きな作品の場合、どの場所から彫り始めてどのように彫り進めるのかを、印面への転写が完了した時点であらかじめ決めているのでしょうか?それとも、その時々の思い付きで彫り進めていくのでしょうか?

さとうゆうこさん:
どこから彫り進めようかは、転写後に決めました。今回の場合は、消しゴムはんこの中央の方を彫るのが難しそうだったので、まずは外側の余白が多い所から段々と内側へ彫り進めていきました。


 次回[後編]に続きます。どうぞお楽しみに。


【さとうゆうこさん】のインスタグラムはこちらです。

Instagram:https://www.instagram.com/chimney_hanko/


(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2018年8月5日配信)

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