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【最高金賞】ひろせはなこさんインタビュー

 消しゴムはんこの「彫りの技術力」と「デザイン力」を競う業界初の本格的なコンテスト【国際イレイサースタンプ品評会】。2017年12月10日に開催された『第2回国際イレイサースタンプ品評会』は第1回を大きく上回る33作品のエントリーがあり、接戦を制したHAROKELLOGG ひろせはなこさんの作品が最高金賞に選出されました。

 そして、この度HAROKELLOGG ひろせはなこさんに最高金賞受賞時の気持ちや作品に込めた想いやテーマ、そして普段の作家活動から作品制作に使用しているツールや制作方法などをお伺いしました。

 シリーズでお届けしてきました【受賞者インタビュー】。最終回は、HAROKELLOGG ひろせはなこさんです。


HAROKELLOGG ひろせはなこさん

~デザイン案の作成はタブレットで~

最高金賞を受賞された感想をお聞かせください。

ひろせはなこさん:
この度は素敵な賞をいただきとても嬉しく思っております、ありがとうございます。
私は自分の作るものが万人受けしないものだと思っておりますので、最高金賞に選んでいただけたことで皆様から認めていただけて、優しく背中を押していただいたような、暖かな気持ちになりました。
投票してくださった皆様、ほんとうにありがとうございました。

受賞された作品のテーマとしたもの、またはコンセプトとしたものを教えてください。

ひろせはなこさん:
植物に囲まれた妖精の女王ティターニアをアールヌーヴォー調にまとめました。

アイデア・図案の作成から作品の完成までどのくらい日数を要しましたか?

ひろせはなこさん:
落書きとしてiPadProで描いた絵を整えて図案に落とし込みました。
ラフから図案にするまでにかかった時間は3〜4時間程度だと思います。
トレーシングペーパーで消しゴムに移すのに1時間ほどかかりました。
印面を彫るのは目に負担がかかるので、4〜5時間づつ3日に分けて作業しました。


~作品の美しさに秘められたデザイン力の高さ~

作品の制作で苦心した点を教えてください。

ひろせはなこさん:
ハガキサイズのような大きな作品ははじめてで、小さな作品のように気楽にくるくる回せないことに苦労しました。
あと、移した下絵がこすれてぼやけてしまわないように、彫っていない箇所を紙で巻いておくなど気を使いました。

作品の制作で特にこだわった部分、ここに注目してもらいたい!という部分を教えてください。

ひろせはなこさん:
印面の美しさを競う品評会ということで、自分がどこまで細かいものをキレイに彫れるかに挑みました。
でも、ただ全面的に同じように細かいのでは隅々まで見ていただけないのではないかな…と、見る人を疲れさせないようにデザインにメリハリをつけて視線の動きを作る事、部分部分を見ても全体を見ても楽しめる事、そしてイラストとして美しい物であることにこだわって作りました。


~クリエイターとデザイナー、それぞれの側面と展望~

ひろせさんは「浅草橋けしごむはんこヴィレッジ vol.2」に【HAROKELLOGG ひろせはなこ】としてブース出展し、多くのお客様から人気を集めていらっしゃいました。
販売用の作品デザインや制作時のこだわりや心がけていること、意識していることなどを教えてください。

ひろせはなこさん:
『自分が大好きなもの、自分が欲しいもの』をワガママに作っています。
以前、売れ筋のものを作った方がいいのかなと模索した時期があったのですが、結局『私が考えた売れ筋のもの』しか作れないのです…しかもそうして作ったのが売れなかったときって虚しい気持ちしか残らないのです。
そこで『結局は自分が好きなものを作るしかないのだ』と割り切ったらとても楽しくなりました。
売れない時は、好みが合う人がいなかったのねしょうがないよね!と思えますし、購入していただけた時は、私のかなり偏った『大好き』に「私も大好き!」と共感していただけたことがとても嬉しいのです♪

ひろせさんはイラストレーターとしても活躍されていますが、デザインをする時やイメージを形にする際のこだわり、心がけていることなどを教えてください。

ひろせはなこさん:
細部も大切ですが、それよりも全体を見た時のシルエットとしてのバランスの良さや美しさにこだわりがあります。
ただいじりすぎると線に勢いがなくなってしまうので、重ね重ねなおしてもうまくいかない時は、思い切って消して最初から線を引きなおすようにしています。

イラストレーターと消しゴムはんこ作家というそれぞれの視点で、今後消しゴムはんこで表現してみたいと考えていること、制作してみたい作品のアイデアなどがあれば教えてください。

ひろせはなこさん:
透明水彩で描いたイラストから図案を作ったり、逆に消しゴムはんこの印影をスキャナで取り込みデジタル化したものをイラストの素材として使用したりしています。
他に手芸も好きで布の雑貨等を作っているのですが、消しゴムはんことイラストと手芸の3つを切り離さないでお互いに行ったり来たり影響させることで、うまく回して、自分にしか作れないものを作れるようになりたいです。


~ツールにもこだわりを持って~

今回の作品の制作にはどのような道具を使いましたか?
また、普段の制作に使用している道具と、その道具を使用する理由やこだわりがございましたら教えてください。

ひろせはなこさん:
今回の作品の制作には、普段使っているのと同じ道具を使いました。
特にこだわりはないのですが、NTのデザインナイフを30年くらい使い続けています。
中学生の頃に漫画家さんに憧れて買ったもので、いいかげん新しいのを…とも思うのですが長く使ったぶん愛着が出てしまい買い換えられなくなってしまいました^^;
刃は30℃の黒刃を入れて使っています、普通の刃より少し厚みがあるところが安心感があって好きですし、切れ味が良くて長くもちます。

他に道刃物さんのハイス鋼のゴムハン刀を数種類使っています、特に「極細丸 0.5mm」は手放せません。

もうひとつ手放せないのはスタンドルーペです。
老眼が進んで手元がぼんやりとしてしまい…でも作った老眼鏡がどうしても合わなくて、試しにスタンドルーペを導入してみたら細かい図案も楽に彫れるようになりました。

あなたの彫り方のタイプを教えてください。(例:置き彫り・手持ち彫り等々)
作品の大きさによって彫り方を使い分けている場合はそれらも教えてください。

ひろせはなこさん:
置き彫り、引き彫りです。
小さな箱の上に乗せて高さを出して彫っています。


 ご多忙のところインタビューにご協力いただきましたひろせはなこさん、本当にありがとうございました。そして、最高金賞受賞本当におめでとうございます。


「あなたも最高金賞を目指してみませんか?」
彫りの美しさとデザインを競う本格的なコンテスト
【第3回国際イレイサースタンプ品評会】
どうぞご期待ください!

http://www.eraserstamp.net/fair/


(国際イレイサースタンプ品評会開催委員会 / 2018年4月12日配信)

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