【ばむへいさん】金賞受賞者インタビュー[後編]

 消しゴムはんこファンの皆さん、ごきげんいかがでしょうか?国際イレイサースタンプ品評会開催委員長の中鉢久夫です。

 シリーズでお送りしています「第3回品評会受賞者インタビュー」。7月24日にご紹介しました【ばむへいさん】インタビュー[前編]に続き、今回は[後編]をご紹介します。


【ばむへいさん】


(~[前編]からの続きです~)

-今回ご提出いただいた印影ですが、単色で平面に捺したものと着色されて立体形状に加工されたものと2種類ありました。品評会会場では立体加工されたものを展示しましたが、これは図案を考える時点で立体にすることを想定していたのでしょうか?

ばむへいさん:
はい。
最終の形まで下書きの時点で出来上がっていました。
ゴールは決まっていたので、途中迷う事なく作業に集中出来ました。
この作業工程は前回も同じです。

-なるほど、そうだったんですね。

ばむへいさん:
ただ、この方法だと一番の達成感を味わえるのが下書きの時点で、あとは「消化するのみ」って感じになるんです。
そこが難点といえば難点かもです(笑)。

-なるほど。ですが、完成前に一度達成感を味わえて、完成後にもう一度達成感を味わえると考えると「一粒で二度美味しい」とも言えますよね(笑)。ところで、今回の作品はデザインのアイデアと図案の作成から作品の完成までどのくらい日数を要しましたか?

ばむへいさん:
まずは、デザイン構想に1ヶ月。
とにかく色んなアイデア、構図、物語を考えます。
そこから、先ほどお話した『酒場』と『ジャズ』というテーマに沿って、シンプルにまとめていきます。
そして、資料集めに『酒場』の本を買いまくり、『ジャズ』のCDを聞きまくりました。
そうやって世界観を作っていきました。

そして、図案のラフに3日。
ここでは、すでに構想ができているので、それをぶれないように形にするため一気にやります。
少しでも納得がいかないときは、一旦寝かせて頭をまっ白にした状態で見直すことがありますが、今回スムーズにいったので3日で出来上がりました。

最後に、彫りに1ヶ月。
ばむは彫るスピードがめっちゃ遅いです。
ちまちま、ちまちま彫るタイプ。
そして今回、転写に除光液を使い彫りました。
チャレンジしてみたいことだったので、すごく勉強になりました。
除光液だと印面が汚れないので、これもストレスの軽減になるかもです。

-まさに「大作」ですね。そして、除光液を使用した転写は印面が汚れないというのも大きなメリットですよね。そこでお訊きしたいのですが、除光液を使用して転写を行った理由というのは他にも何かあるんでしょうか?

ばむへいさん:
下書きを万年筆で仕上げ、それを忠実に転写したかったからです。
トレペに写し込む作業が省かれたのは良かったんですが、出来上がりを見ると、いつものトレペの時と比べ『味』が思ったより出なかったのが残念でした。

-そうでしたか。では、制作過程において苦労した点や苦心したことを教えていただけますか?

ばむへいさん:
もちろん図案です。
「自分らしさ」をいかに表現出来るかをひたすら考えました。
彫りは『基本を大事にする』を心がけて制作しました。


-先ほど「万年筆で下絵を仕上げて…」というお話がありましたが、今回の作品の制作にはどのような道具を使いましたか?

ばむへいさん:
彫りはデザインカッターと彫刻刀。
デザインカッターは100均のものでした。
気付かず使用してた(笑)。

-気付かず、ですか(笑)。

ばむへいさん:
はい(笑)。で、今回の下書きは製図用のシャープペンで書き、それを先ほどもお話ししたように万年筆で清書したものをコピーし、除光液で転写しました。
最近は図案を描く時、万年筆を使ってます。
線の強弱が自分好みに表現出来るからです。

-線の強弱を自在に表現できるという点で、万年筆を図案の作成に使用するのは良いアイデアですよね。では、ばむへいさんの彫り方のタイプを教えていただけますか?

ばむへいさん:
基本は置き彫りで彫って、細かいところの微調整は手に持ったり斜めにしたりして彫っています。

-ばむへいさんは現在、消しゴムはんこ作家としてどのような活動をされているか教えてください。また、多くの皆様にばむへいさんを知っていただけるよう、HPアドレスや公式ブログ、SNSアカウントがございましたら教えていただけますか?

ばむへいさん:
自分の世界を出すため、「ガーリーでファンタジーなモノづくり」をコンセプトに日々がんばっています。

アメブロでは、消しゴムはんこやイベント情報、レポをゆる〜く書いてます。
http://ameblo.jp/bamuheichan/

インスタグラムでは、はんこの紹介、め〜とうし子の物語を発信しています。
http://instagram.com/bamuhei/

フェイスブックもやっています。
https://www.facebook.com/bamustamp

-ありがとうございます。では最後になりますが、今後の活動予定や消しゴムはんこ作家としての目標などがあればぜひ教えてください。

ばむへいさん:
イベントにたくさん出れる様がんばります!
物語を作るのが好きなので、はんこを通してお話をたくさん作っていきます!!

-今後のご活躍に期待しております。本日はありがとうございました。

ばむへいさん:
こちらこそありがとうございました!


 インタビューを行っている際に、ばむへいさんが第2回品評会の金賞受賞者インタビューで「はんこは図案の完成度と転写でほぼ全てが決まる」とおっしゃっていたことを思い出しました。今回のばむへいさんのエントリー作品は『作家の図案へのこだわりを昇華し形にした』うえで、『さらに正常進化した』ことによって金賞受賞という結果に結びついたのではないかと感じています。
 お忙しいところご回答いただき本当にありがとうございました。そして、2回連続の金賞受賞、本当におめでとうございました!


【ばむへいさん】の公式SNSはこちらです。
イベント出展情報などもこちらで公開しています!

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(国際イレイサースタンプ品評会開催委員長 中鉢久夫 / 2018年7月26日配信)

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